ここでは、整形外科疾患の手術を受けられた方に必要なことや、具体的なリハビリ内容を動画で解説いたします。
整形外科疾患の手術後に必要なこと
尊敬する医師は、身体が良くなるために必要なのは、手術5割、リハビリ5割、と言っていました。
どれだけ腕の良い医師が良い手術をしても、リハビリをしっかり行わなければ、完全には良くならないということです。
その逆もしかりで、手術がうまくいかなければ、その後リハビリをどれだけ頑張っても、完全には良くなりません。
そのため、手術とリハビリの両方が大切です。
これを踏まえて、手術後に必要なことを解説します。
手術後に必要なのは、①手術による炎症をいち早く良くすること、②早期に痛みの改善・可動域を獲得すること、③できるだけ早くトレーニングが出来る状態にすること、です。
この①〜③の全ての期間で、リハビリは関わっています。
順番に解説します。
①手術による炎症をいち早く良くすること
手術によって、組織に侵襲が加わります。
組織に侵襲が加わることで、炎症反応が起きます。
打撲を思い浮かべて頂けると、イメージしやすいと思います。
転んで、膝をぶつけた。
膝が痛い、腫れる…
この痛みや腫れが、いわゆる炎症反応です。
手術によって必ず起きます。
炎症反応の大きさや期間は、手術方法や既存疾患など、コントロールできない要因もあります。
一方で、手術後の炎症を管理することもできます。
炎症管理には、RICE処置と言われる、管理方法があります。
RICE処置とは、それぞれの頭文字をつなげたものです。
それぞれの頭文字とは、Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)です。
この管理をしっかりと行うことで、②早期に痛みの改善・可動域を獲得すること、③できるだけ早くトレーニングが出来る状態にすること、へスムーズに移行できます。
一方、ここの管理を怠ると、慢性的な痛みや皮膚が固くなって動きが制限されるといった、二次的合併症を引き起こします。
そのため、この時期は最重要と言えます。
②早期に痛みの改善・可動域を獲得すること
炎症が落ち着いてきたら、痛みの改善と可動域獲得を目指します。
炎症が落ち着いてきたと言っても、手術の影響はもちろん残っています。
手術による侵襲の影響を抑えた上で、痛みの改善と可動域練習を実施していきます。
③できるだけ早くトレーニングが出来る状態にすること
痛みが落ち着き、可動域が改善してきたら、トレーニングを行います。
トレーニングと言っても、筋力トレーニングだけではありません。
良い姿勢・歩行の練習や、筋肉を必要なタイミングで使うための動作練習も重要になってきます。
そのため、横になって行う練習から、立ったり、階段を使ったりと、トレーニングの内容は多岐に渡ります。
整形外科術後の経過イメージを動画で紹介
ここまでは、整形外科術後の経過や重要なことを解説してきました。
ただ、言葉だけだと、実際にどのようなリハビリを行うのか、イメージし辛いと思います。
そこで、膝蓋骨(膝のお皿)の骨折後、手術をされた方のリハビリ経過を動画でご紹介します。
文章を読んでも中々分からないと思うので、是非ご覧ください。
①手術による炎症をいち早く良くすること(皮膚の動き獲得と圧迫)
②早期に痛みの改善・可動域を獲得すること
③できるだけ早くトレーニングが出来る状態にすること
生活でできることを広げていきます
車の運転
屋外を歩く練習
階段練習
リハビリ前後と経過
手術後の歩行と、リハビリ継続後の歩行
正座近くまで膝を曲げることができました
整形外科疾患の手術を受けられた方へのまとめ
整形外科疾患の手術後は、手術の内容とリハビリの両方が大切です。
手術後のリハビリは、大変ですが、頑張り次第で痛みの改善や動作の改善が期待できます。