転倒を繰り返すのはなぜ?転倒しやすい人の特徴とは?
こんにちは!
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
母が退院した後、転倒を繰り返します。
なにが問題なのでしょうか?
この疑問を解決します。
- 本記事の内容
・転倒しやすい人の特徴
・転倒自体は問題ではない
・脳卒中で退院後、転倒して骨折しやすい人の特徴
転倒しやすい人の特徴と、その問題点を理解できます。
3分で読めるので、転倒の危険性に少しでも気付きたい方は、最後まで読んでみてください。
転倒しやすい人の特徴
転倒しやすい人は、バランスが悪く、危険の認識が悪い、のが特徴です。
バランスが悪いと、転倒しやすいイメージは理解できると思います。
では、危険の認識は、転倒にどう影響しているのでしょうか?
具体的には、バランスが悪くても、危険の認識が良いと、転倒しません。
例えば、歩くのにふらつきがあるため、車椅子を使用しているAさんとBさんがいました。
Aさんは、危険の認識が悪いです。
そのため、歩くのにふらつきがあるにも関わらず、歩こうとしてまた転倒しています。
一方、Bさんは危険の認識が良いです。
そのため、基本的には車椅子を使って、乗り移りなどの危ない場面では、ご家族を呼びます。
このように、バランスが悪いからと言って、転倒する訳ではありません。
下の表をご覧ください。
危険の認識が良い | 危険の認識が悪い | |
バランス良い | 転倒リスク 低 対応なし | 転倒リスク 低 対応する必要性は低い |
バランス悪い | 転倒リスク 低 出来る動作の許可と説明 | 転倒リスク 高 管理が必須(見守り要) |
この表のように、「バランス」と「危険の認識」の両方を確認することで、転倒リスクを把握し、適切な対応につながるのです。
転倒自体は問題ではない
ここまでは、転倒リスクについて、説明しました。
実は、転倒自体はさほど問題ではありません。
転倒した結果、「ケガ」をすることが最大の問題です。
極端に言えば、転倒しても「ケガ」をしなければ大きな問題にはならないのです。
この観点からすると、転倒の対策には段階があることが分かります。
Step① 転倒しないように対策する
Step② 転倒してもケガをしないように対策する
この2段階で考えることで、転倒してケガしないように工夫することが可能です。
脳卒中で退院後、転倒して骨折しやすい人の特徴
最後に、どのような方が転倒して「骨折」しやすいのかを6年にわたって調査した研究をご紹介します。
この研究では、女性 と 中等度の下肢麻痺 が転倒して骨折しやすさの因子であると示されています。
女性は、骨を健康に保つホルモンである「エストロゲン」の分泌が加齢に伴って減っていきます。
そのため、女性は骨が弱くなりやすく、転倒が加わることで骨折の危険が高まるのです。
また、脳梗塞後の下肢麻痺は、バランスが悪くなる原因となるため、転倒して骨折しやすい理由となっています。
特に、女性で中等度の下肢麻痺がある場合は、転倒しての骨折に注意しましょう。
熟練者の視点|なぜ、中等度の麻痺が転倒して骨折することに関係するの?
軽度の下肢麻痺が転倒して骨折する原因にならないことは理解できますが、重度の下肢麻痺は今回の研究では危険因子となっていません。
なぜでしょうか?
推測になりますが、重度の下肢麻痺があると、車椅子中心の生活になりがちです。
一方、中等度の下肢麻痺であれば、歩行中心の生活となります。
この違いが、転倒後の骨折に影響したのではないか?
と予測されます。
まとめ
- 転倒しやすい人は、バランスが悪く、危険の認識が悪い特徴があります。
- 転倒の対策は、転倒しないことだけでなく、転倒してケガしないようにすることも重要。
- 脳卒中後、転倒して骨折しやすいのは、女性で中等度の下肢麻痺がある場合。
今回挙げたように、転倒にはいろいろな要素が含まれています。
そのため、転倒予防や対策が気になる方は、お問い合わせ頂けばと思います。
<参考文献>
Masashi Kumagai et al:Cumulative Risk And Associated Factors For Fall-Related Fractures In Stroke Survivors After Discharge From Rehabilitation Wards: A Retrospective Study With A 6-Year Follow-Up.J Rehabil Med;2022.
ご質問がある方は、下記からどうぞ。