こんにちは!
片麻痺の改善に効果が期待される「促通反復療法(川平法)」を提供しております、脳卒中認定理学療法士・リハフィットの實(みのる)と申します。
本記事では、自費で装具を作製する方法について、わかりやすく解説します。
公益社団法人 埼玉県理学療法士会のサイトで記事を執筆しました
先日、埼玉県理学療法士会よりご依頼をいただき、
「自費で脳梗塞後遺症用の下肢装具を製作する方法」というタイトルで公式記事を執筆しました。
より詳しい手続き・注意点・費用の考え方をまとめていますので、
装具について悩まれている方は、そちらもぜひご覧ください。
当店のご利用者さまが、自費で装具を購入されました
最近、リハフィットのご利用者さまが、実際に自費で装具を購入されました。
その流れが、多くの方の参考になると感じたため、簡単にご紹介します。
なぜ自費での装具作製が必要だったのか?
装具作製には大きく2つの制度があります。
- 医療保険(治療のための装具)
- 障害者手帳による更生用装具(“現状維持”が目的になりやすい)
この2つには、それぞれ課題があります。
医療保険での装具作製が難しかった理由
今回の利用者さまは、医療保険での再作製が難しいタイミングでした。
医療保険で装具を新しく作り直す場合、
「前回の作製からの一定期間」が必要になります。
この期間はある程度決まっており、満たしていないと再作製は基本的に認められません。
利用者さまの場合、
前回の作製からの期間がまだ十分ではなく、
制度上、再作製のタイミングではありませんでした。
さらに、現在使用されている装具には、
- 壊れた
- 傷ができる
- 大きな変形がある
といった“明確な不具合”はありませんでした。
しかし、
- 今の身体の状態に合わない
- 歩行にフィットしなくなってきている
という問題がありました。
制度上は「まだ壊れていない装具」と判断されてしまうため、
“合っていなくても作り替えができない”という状況に陥ります。
結果として、
合わない装具だと感じていても、
医療保険では時期を待つしかない。
これが、多くの方が悩まれるポイントです。
身体障害者手帳(更生用装具)を利用する場合
身体障害者手帳をお持ちの方は、
更生用装具の制度を利用して作製することが可能です。
この制度は、医療保険での「治療用装具」とは異なり、
前回の装具作製からの期間に関係なく作り替えができるという大きなメリットがあります。
そのため、医療保険の作り替え期間が未達成の場合でも、
更生用装具で対応してもらえるケースがあります。
ただし、更生用装具には目的の違いがある
更生用装具は、
“日常生活や社会生活をできるようにするための装具”
つまり、生活機能の維持・補助を目的とした装具
と考えられています。
そのため、
「より良く歩けるようにするための装具」ではなく、
「今の生活が安全に行えるようにする装具」
として提案されることが多いのが現状です。
ここが、治療や上達を目指す方にとってはデメリットになる場合があります。
イメージしやすい例
- 例①:転倒してしまう、足がひっかかる
→ 足がひっかからないように補助する装具はOK(生活動作の確保) - 例②:もっとキレイに歩きたい、左右差を減らしたい
→ 性能向上や改善目的の装具は制度上難しい(改善目的ではないため)
このように、
更生用装具は“今の生活を守るための装具”という位置づけになるため、
積極的な歩行改善に繋がらないことが多いのです。
この理由から「自費での作製」という選択肢へ
今回の利用者さまも、
- 今より歩きを改善したい
- より合う装具を試して選びたい
- 歩行パフォーマンスの向上を目指したい
という希望がありました。
しかし、更生用装具の制度では、
これらの “改善を目的とした装具” を選択することが難しいため、
自費での装具作製(購入)を検討する流れとなりました。
義肢装具士さんに依頼し、当店でデモを実施

知り合いの義肢装具士さんにご協力いただき、
リハフィット店内で装具デモ(試し履き)を行うことができました。
装具は“合う・合わない”が非常に大きい道具のため、
実際に歩いてみることが何より重要です。
退院後は、装具を試す機会がほとんどありません。
そのため、今回のように
「本当に合うのか?」
を確かめられることは、とても大きな価値があります。
実際に歩いてみた結果、
歩行の変化とご本人の実感がしっかり一致したため、
購入されることになりました。
義肢装具士さん方からは、今後も同様のデモに協力していただけるとのことで、非常に心強いです。
装具は“正しく使えば”歩行改善の強力な武器になる
装具は、歩行改善にとても有効な手段です。
しかし、
- 正しい種類を選ぶこと
- 正しい方法で使用すること
- 専門家からの指導を受けること
が大前提になります。
理学療法士 × 義肢装具士
この連携が整って初めて、装具は最大限に力を発揮します。
装具でお困りの方は、リハフィットへご相談ください
「今の装具が合っているかわからない」
「もっと良くなるための装具を試したい」
「デモをしてみたい」
などのお悩みがあれば、リハフィットでもご相談を承ります。
お一人で悩まず、ぜひお気軽にお問い合わせください。


