人工膝関節置換術をした後、生活はどうなるの?退院後の生活を知る理学療法士が解説
こんにちは!
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
数年前から膝の痛みがあり、変形性ひざ関節症と診断されました。
痛みが強く、医師からは人工関節の手術を提案されています。
人工関節にしたら、今の生活は続けられますか?
この疑問を解決します。
- 本記事の内容
・膝の人工関節手術とは?
・変形性ひざ関節症に対する治療
・膝を人工関節にすると、手術後の生活は不便になるの?
・人工ひざ関節置換術の最大のメリット
本記事を読むことで、膝に人工関節を入れた後の生活を理解できます。
3分で読めるので、膝の人工関節を検討されている方は、最後まで読んでみてください。
膝の人工関節手術とは?
膝の関節を、人工関節に入れ替える手術のことです。
この手術を「人工ひざ関節置換術」と言います。
人工ひざ関節置換術が適応となる主な病気は、「変形性ひざ関節症」です。
変形性ひざ関節症は、膝の関節が変形して痛みが生じる病気です。
関節は一度変形すると、自力で治ることはほとんどありません。
そのため、人工関節に入れ替える手術が行われています。
ただ、変形性ひざ関節症に対する治療は、人工ひざ関節置換術だけではありません。
変形性ひざ関節症に対する治療
変形性ひざ関節症に対する治療には、以下の種類があります。
◯リハビリテーション
・筋肉の硬さを改善させたり、必要な部分に筋力をつける。
・インソールを作成して、膝の負担を減らす。
・食事指導や運動を通して、膝の負担となっている「体重」を減らす。
◯薬
・痛み止め(飲み薬や湿布など)
・関節内注射(ヒアルロン酸や膝の水を抜く、など)
◯手術
・関節鏡手術
・高位脛骨骨切り術
・人工ひざ関節置換術
◯再生医療
・幹細胞治療
・PRP(多血小板血漿)療法
色々な治療法が日々検討されておりますので、ぜひご自身に合った治療法を探してみてください。
治療に悩んだ際には、医師のセカンドオピニオンだけでなく、理学療法士に相談するのも、解決への大きな一歩です。
侵襲や身体の負担が最も少ないのはリハビリのため、お薬や手術等を検討される際には、まずはリハビリを実施することをオススメします。
その上で、お薬や手術等を検討しても遅くはありません。
膝を人工関節にすると、手術後の生活は不便になるの?
人工ひざ関節置換術を行った後、どんな生活になるのか、ご紹介します。
人工膝関節にすると、膝の曲がる角度に制限が出ます。
素材や手術法にも左右されますが、多くは膝が120°程度までしか曲がりません。
そのため、「正座(155°)」や「床への立ち座り」、「しゃがみ込み(和式トイレ)」等はできない可能性があります。
また、「自転車」も難しくなる場合があります。
もう一点、重要なポイントがあります。
それは、全ての人が120°曲がるという保証はないということです。
元々の状態や手術内容、術後の管理等がうまくいかなかった場合、120°よりももっと曲がらないケースもあります。
その場合では、「自動車の運転」や「低い椅子からの立ち座り」などにも影響が生じる可能性があります。
元々変形が強くて膝の曲げ伸ばし可動範囲に制限があった方は、手術をすることで膝の曲げ伸ばし角度は上がります!!
手術前の状態によって変わりますので、担当の医師に確認しておくことをオススメします。
人工ひざ関節置換術の最大のメリット
人工ひざ関節置換術の手術後の不便さを紹介しましたが、メリットももちろんあります。
それは、
痛みがなくなる、ことです。
「毎日ひざが痛くて、どこに行くのも憂鬱…」
「友達とでかけても、たくさん歩けないから迷惑かけてしまう…」
このような想いがあった方が、人工ひざ関節置換術を行った後、
「今では旅行に行くのが楽しみ!」
「毎日の散歩が趣味が気持ちよくて最高です!」
と、なるのも事実です。
一方、手術後に痛みが残ってしまったケースがあるのも、事実なのです…
膝の角度と同じく、手術をした=すべて改善する、とは限りません。
そのあたりを総合的に考え、判断してみてください。
まとめ
- 膝の関節を、人工関節に入れ替える手術を人工ひざ関節置換術といい、原因疾患は変形性ひざ関節症が多い。
- 変形性ひざ関節症の治療には、リハビリ・薬・手術・再生医療がある。
- 膝を人工関節にすると、膝を曲げる動作が制限されるが、元々制限があった場合は膝の可動域に改善がみられる。
- 人工ひざ関節置換術を行うことで、痛みが改善される。
より良い未来を選択するための情報の一つとなれば嬉しいです。
<参考記事>
人工関節ドッドコム | 人工ひざ関節置換術とは
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