今お使いの装具は、どのような装具でしょうか?
プラスティックや金属、可動式の装具など、様々な種類があります。
本記事では、「ゲイトソリューション」について、解説します。
ゲイトソリューションは、退院後であっても簡単に調整が出来る装具となっているので、退院してから一度も設定していないという方は、ぜひご覧ください。
また、他の装具を使用中であっても、今後歩きの状態によってはゲイトソリューションを導入する可能性もありますので、この機会にゲイトソリューションを学びましょう。
ゲイトソリューションがうまく使えていない
ゲイトソリューションを使用していて、入院中も退院後も全く設定を変更していない方が実際にいます。
後ほど、詳しく説明しますが、ゲイトソリューションの最大の特徴は、足の機能に合わせて設定を簡単に変えられることです。
歩きながら、筋肉の使い方を覚えるために有効な手段なのです。
それにもかかわらず、設定が変わっていないということは、ゲイトソリューションの意味がありません。
もちろん、ゲイトソリューションが適応ではなかったという可能性もありますが、少なくとも購入時点では適応と判断されたのであれば、設定を一度は見直すべきだと考えます。
そこで、今回は、1ゲイトソリューションの機能、2ゲイトソリューションの進め方、3ゲイトソリューションの油圧の見方を解説します。
(1)ゲイトソリューションの機能
では、ゲイトソリューションの機能について、です。
ゲイトソリューションとは、装具の特殊な足継ぎ手のことです。
足継ぎ手とは、装具の足関節の部分を制動するものです。
装具によって足継ぎ手が動かないものや動くものなど、複数の種類があります。
このゲイトソリューションは、足が前にいくのは制限なく、後にいく時に油圧を使って制動できることが特徴です。
プラスティックで固定している装具だと、後ろにいくことはできませんが、ゲイトソリューションでは後ろにいくことができます。
ただ、抵抗なく行ってしまうと、装具の意味がないので、油圧による抵抗がかけられるという訳です。
歩きは、踵から接地したあと、足の全体が地面につきます。
通常では、前脛骨筋という、足の前の筋肉が働くことでつま先まで滑らかに接地します。
ただ、麻痺があると、前脛骨筋がうまく作用せず、踵接地やその後の滑らかな足全体の接地まで行うことができません。
そのため、装具で固定するのですが、踵接地は行えてもその後の滑らかな足全体接地は固定されるとできません。
この筋肉の変わりをするための装具がゲイトソリューションです。
では、この筋肉の変わりをどの様に使っていけば良いのでしょうか?
(2)ゲイトソリューションの進め方について
ゲイトソリューションの油圧は、簡単にいうと筋力だと思ってください。
筋力が弱い時は油圧を高くしてゲイトソリューションに頼る部分を大きくします。
筋力が上がってくれば、ゲイトソリューションの油圧を下げていくのです。
ゲイトソリューションの装具を履いて歩行練習することで、筋肉の活動が得られたと報告されています。
つまり、ゲイトソリューションを履いて歩行練習をするだけで筋肉の練習になっているのです。
そのため、適切な設定ができれば歩くことで少しずつ良くなっていくことが期待できます。
ゲイトソリューションを使用した報告では、最終的には装具なしで歩ける様になったものもあります。
ただ、ゲイトソリューションの設定が変わらないということは、油圧が合っていなかったり、無理して歩いている可能性もあるので、見直す必要があります。
(3)ゲイトソリューションの見方
では、油圧の見方を紹介します。
小さいですが、1から4まであります。
数値が上がるごとに油圧が高くなり、2Nm〜20Nmの無段階調整となります。
つまり、数字と数字の間でも徐々に圧は変わるので、2と、2と3の間であれば、2と3の間の方が油圧は高くなります。
これを微調整して、歩きを見ながら練習していきます。
ご自身の筋活動の改善と共に、油圧を下げていきます。
もちろん、理学療法士と共に行っていきます。
ただ、ゲイトソリューションを使いこなすのは難しいと感じています。
そのため、私自身も歩きを見ながら日々適切な油圧を検討して進めています。
なので皆様はぜひ、率直な感想を理学療法士に伝えてあげてください。
まとめ
今回はゲイトソリューションの油圧を解説しました。
ゲイトソリューション継ぎ手を使っている方は、一度理学療法士に相談していただき、歩きと設定を見直して見てください。
おまけ
ねじが小さすぎでなくなるケース頻繁していますので、ご注意を。
小さすぎて、無くなったらほぼ探せないです。
購入した義肢装具会社さんへ早めに連絡しましょう。