軽くて歩きやすいはウソ?歩くのに必要な脳卒中後の下肢装具
こんにちは!
いつもご覧いただき、ありがとうございます。
退院前に装具を作ることになったんだけど、重いのは嫌だなあ。
軽くて歩きやすいのはないの?
この疑問を解決します。
- 本記事の内容
・下肢装具を作成するときに必要な知識
・装具の最重要知識【重くても良い】
・装具が必要よりも軽くなってしまう状況
・歩くために必要な装具
・合っていないのでは?と思ったら…
本記事を読むことで、失敗しない下肢装具の選び方が理解できます。
2分で読めるので、装具を作成予定や装具を使っている方は、最後まで読んでみてください。
下肢装具を作成するときに必要な知識
脳卒中の後遺症で、足に麻痺がある場合、歩くために装具を作成します。
装具を作成するときには、医師や義肢装具士、理学療法士で検討したものを作成します。
最終的には、検討したものを承認する作業をご本人やご家族が行います。
このときに、最低限知っておくと良い知識がありますので、紹介したいと思います。
装具の最重要知識【重くても良い】
最も、間違いやすく、重要なポイントは、一つです。
重くても、制動が出来る装具を選択する
理由は、軽くて制動力がない装具は、装具としての意味をなさないからです。
実際、退院後にうまく歩けずに困る場合は、装具の制動力がないことがほとんどです。
では、なぜこのようなギャップが起きるのでしょうか?
装具が必要よりも軽くなってしまう状況
重くても制動ができる方が良いことは、医師や義肢装具士、理学療法士はもちろん分かっています。
では、なぜ症状よりも制動力がない装具が作成されるのでしょうか?
この理由は2つ考えられます。
1つ目は、本人・ご家族の意見です。
よくあるのが、ご本人が「重くて歩きづらい」「装具履いているのが見た目で分かるからいやだ」などの訴えです。
装具作成には、患者・家族の同意が必要なので、勝手に作ることは出来ません。
患者・家族の意向に沿った結果、制動力がない装具が作成されます。
2つ目は、医療従事者の知識・経験不足です。
日本理学療法士学会が平成30年に調査した報告書によると、
一方、回答者の持っている装具の知識・能力については、「大いに持っている」と回答した者は 3 割未満(後略)
日本理学療法士学会 . 福祉用具・義肢・装具支援に関する啓発と実態調査~装具編~
この報告書では、装具の知識・能力について有しているかを聞いた結果、「大いに持っている」と回答した理学療法士が3割未満だとあります。
このことからも分かるように、作成を提案される時点で、適切ではない装具を処方される場合もあるのです。
歩くために必要な装具
今まで説明したように、ご本人やご家族が装具の知識を持つのは重要だと分かります。
色々な装具の中で、これがあれば安心という装具の機能を3つご紹介します。
・金属支柱(支柱が金属)
・足継ぎ手は、ダブルクレンザック
・足部はプラスチックモールド
※全ての人に当てはまるわけではありません。
金属支柱
支柱の部分が金属で出来ています。
そのため、「重い」ですし、「ゴツゴツ」します。
その代わり、「制動力は抜群」で、足が突っ張って硬い場合にも使えます。
ダブルクレンザック
足首の角度がネジで調節できます。
そのため、ご本人の回復や歩きの変化に伴って変更が可能です。
足部はプラスチックモールド
足の部分はプラスチックにします。
金属支柱では、プラスチック以外に、「靴型」や「足部覆い型」があります。
プラスチックモールドにしておくと、家の中では麻痺側は装具で、非麻痺側(健側)は裸足や靴下、外は装具の上から靴を履く、というかたちで応用的に使えます。
デメリットは、足部覆い型と比べると履きづらいので、そのあたりで検討は必要です。
合っていないのでは?と思ったら…
装具は退院後も作成出来ますので、必要に応じて再作成や修正も検討してみてください。
装具が良い方に変わると、歩きがすごく安定します。
まとめ
- 脳卒中後に装具を作成する場合、できるだけ制動力の高い装具を選ぶ
- 迷った際は、金属支柱・ダブルクレンザック・足部はプラスチックモールド
装具のご相談も出来ます
ご質問がある方は、下記からどうぞ。